プロジェクトの背景

久米島町の現況

沖縄本島の西約100キロに位置する久米島は、古くから琉球列島の中でもっとも美しい島と言われ、琉球王朝時代には交易の拠点として栄えていました。

島全体が県立自然公園に指定され、美しいビーチやダイビングスポット、フィッシングスポットは、毎年多くの観光客を魅了しています。

また、日本一の取水量を誇る海洋深層水の研究施設があり、世界で唯一の海洋温度差発電の実証プラントや、海洋深層水の漁業・農業への活用など、最先端の研究が行われています。

 

しかし近年は人口減少と少子高齢化が進み、ピーク時には17,000人を超えていた人口も、現在は約8,200人まで減少。2014年5月に日本創成会議が発表した「消滅可能性都市」では、2040年までの30年間で20~39歳の女性の人口が5割以上減少すると推定される896自治体の一つに数えられました(久米島町の減少率は67.9%)。ほんの30年程前までは一学年300人近かった子どもたちの数も、ここ数年は100人を切るまでになっています。

図:久米島町内中学卒と久米島高校入学者数の推移(平成29年度以降は推計)

 

平成21年には沖縄県教育委員会より、園芸科の生徒募集を平成26年度をもって停止するとの提案を受け、園芸科は廃科の危機に直面しました。

久米島のような離島にとって、園芸科の廃科は単に一つの科がなくなるというだけには収まりません。基幹産業である農業の担い手不足を招くだけでなく、子どもたちの学びの選択肢が狭まることで、島外進学を選ぶ生徒が増える可能性があります。それにともなって一家転住が増え、人口減少が加速し、島の衰退にもつながりかねない、島の将来を左右する問題です。

 

この問題に対処するため、行政や教育委員会、町商工会、地域住民有志などによる「久米島高校の魅力化と発展を考える会」を発足。本格的に高校魅力化プロジェクトが始まりました。

園芸科の存続を求める署名運動や住民大会、町長や町教育長、町議会議長による働きかけなどのかいあって、園芸科廃科はいったん延期。

しかしその後も、「島の教育は島全体で応援する」との考えの下、オール久米島で高校魅力化プロジェクトを進めています。

目指すもの ~久米島から世界をみる~


久米島には、豊かな自然や伝統文化、人と人のつながりなどがあります。そんな久米島ならではの環境で過ごす高校3年間で、沖縄という視点、離島という視点が身につき、より多角的に日本や世界をとらえられるようになるはずです。

その経験のなかで自分の価値観を育み、興味のあることを見つけ、それを実現する力を身につけられるよう応援することが、高校魅力化プロジェクトの目標です。